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飯は食堂で食べるのが決まりになっている。
食堂には大きなテレビが置かれていて、最新の音楽情報を垂れ流しにしてくれることになっている。寮長の素晴らしい趣味の一つだ。 靴を脱いでスリッパをはき、ご飯とみそ汁をよそい、おかずの皿を乗せる。いつも通り。 歌手の作り笑いがふんだんに散りばめられた薄っぺらいPVと、驚くべき軽快さを伴った不快な音を浴びながら、そこまで美味しくない夕食を頂く。 POPというやつらにはTPOをわきまえてもらいたいものだ、等と愚にもつかぬ事を考えながら、そうだ、今日はバイトじゃあないかと思い起こす。もう三日連続か。 少し思い出すのが遅かった。 スーツにスニーカーがどれだけ滑稽に見えるかなんて考えたことはなかったが、考えないようにする努力だけが必要になることとなった。そして、流石に夏物のスーツはもう寒い。 でもそこそこだ。先日みつけたAudiotrium mixは、気持ちよく走るにはまあまあの選曲だったようだ。 人間に必要なのは運動と音楽であることには、疑いの余地は1ミクロンも挟めない。素粒子の世界は人間社会と同じく奥が深い。 気をよくして違うリミックスに手を出したのが間違いだった。考えなしに、そう、ふと、適当に駅に降りたら、全く違う駅ではないか。間抜けだ。 そしてバイト料減給だ。 それでも、気乗りしないがなんとかこなした。 しかし、今日はさらに俺を追い詰めるつもりらしい。 つまらない数日前のミスのおかげで大切な人間関係にひびが入ったらしい、と手のひらサイズの黒い機械が告げる。文章の中の助詞の微妙な働きに、皆さんは泣かされた事はないだろうか。 泣きはしないが、泣く泣く寮に帰り、エレキギターの爆音の中部屋を片付ける。 さて、よく考えればまあまあの日常ではないか。衣食住が出来ることに感謝できることに感謝したいと思うのだ。 PR |
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